防水工事の種類別耐用年数とは?方法ごとに解説

防水工事の種類別耐用年数とは?方法ごとに解説

建物を雨水などによる被害から守るために行われる防水工事ですが、これには耐用年数があるのをご存知でしょうか。一度防水工事を行ったとしても、その効果は永久に続くものではありません。いつまで効果が持続するのかは、内容によっても異なるのです。

そこで今回は防水工事の耐用年数について、種類別にご紹介いたします。

ウレタン防水の耐用年数

ウレタン防水は、液状のウレタン樹脂を使った防水工事のことです。工事箇所に対してウレタン樹脂を広げ、ローラーを使って厚めに塗ることによって、全体的に防水膜を作る工法になります。

特徴として、施工箇所の形状や面積、材質を問わないということが挙げられます。また、液状のウレタン樹脂を使用しますので、つなぎ目が一切存在しません。そのため、仕上がりが非常に滑らかできれいな面になるのです。

気になる耐用年数は約12年と、比較的短めになります。ウレタン樹脂自体がそれほど耐久性の高いものではないことが理由として挙げられます。しかし工事そのものは比較的簡単で、場所を問わないという汎用性の高さからこちらのものを選ぶ方も少なくありません。

ウレタン防水といっても以下のように、いくつかの種類が存在しています。その種類によっても耐用年数は若干異なることになるのです。

通気緩衝工法

通常のウレタン防水では、完成後にウレタン樹脂の下にある湿気や水分がたまってしまうことが多々あります。しかしこの通気緩衝工法では、そのような湿気や水分を逃がすことが可能となるのです。

工事内容の違いとしては、ウレタン樹脂を塗り広げる前に通気緩衝シートを敷く部分にあります。その上からウレタン樹脂を塗ることによって、シートに取り付けられた脱気筒から湿気が抜けるようになります。

密着工法

最も施工費用を抑えられる、オーソドックスな工法です。施工箇所にそのままウレタン樹脂をダイレクトに塗るだけのため、一切の無駄がありません。乾燥後に防水層を保護するためにトップコートを塗り、それが乾燥したら完成となるため、施工期間も短めになります。

メッシュ工法

施工箇所にメッシュシートを敷き、その上からウレタン樹脂を塗る工法です。メッシュシートを挟むことによって、防水層のヒビ割れを防ぐ効果が期待できるのです。地震などの影響によってウレタン樹脂の防水層がひび割れしてしまうことがありますが、そのような事態を防ぐ場合に有効な工法となります。

塩ビシート防水の耐用年数

塩ビシート防水は、施工費用やメンテナンス費用が最も安い防水工事です。施工箇所に対して専用の防水シートを敷きつめ、熱や接着剤によって貼り付けるだけのため、非常にシンプルな工事となります。

費用も安く工事もシンプルとなると、性能が十分であるのか気になるかもしれませんが、防水性能も十分備わっています。耐用年数は貼り付ける防水シートの寿命によって変わりますが、目安としては約13年となっていることが多いです。

ほかの防水工法とは違い、基本的にメンテナンスが不要です。貼り付けた防水シートの寿命が来たタイミングで張り替えなどを行えば問題ないため、コストパフォーマンスにも優れています。

また、防水シートには、非常に豊富な種類が存在しています。人目につく屋根などの箇所に対しても、好みのデザインに仕上げられる点も特徴のひとつといえるでしょう。

ただし風に弱いので、強風を受けやすい箇所には向いていないことには注意が必要です。さらにシンプルである施工ではあるものの、きれいに仕上げるためには技術を要するため、職人の腕が重要になる部分にも注意しましょう。

FRP防水の耐用年数

FRPはプラスチック製の繊維のことで、このFRPを施工箇所に敷きつめながら専用の樹脂によって塗り固める工法になります。非常に丈夫な床に仕上がるのが特徴で、その耐久性の高さからデパートの屋上駐車場でも採用されています。人がよく歩く箇所に対して非常に向いているので、ベランダなどに対してもおすすめです。

耐用年数は約10年となりますので、防水工法のなかでは短めとなります。ただし防水効果だけでなく、耐食や耐候性などにも優れているため、かなり高い性能を持っているといえるでしょう。

耐用年数が短いとそのぶんメンテナンスの頻度が上がり、その都度発生する費用が負担になってしまいます。多くの人が利用するような高い耐久性が求められる箇所に対して採用するのであれば、このFRP防水が最もおすすめとなります。

アスファルト防水の耐用年数

アスファルト防水は最も耐用年数が長い工法です。耐用年数は約20年のため、FRP防水と比べると2倍近く長いことになります。アスファルト自体が非常に耐久性の高い素材となるため、その耐用年数も長くなるのです。

基本的には新築で採用されることの多い工法で、シートをバーナーなどで炙って貼り付ける『トーチ工法』と、粘着剤を使って貼り付ける『冷工法』の2種類の貼り付け方が存在しています。

アスファルトでできたシートは非常に重いため、建物に対して少なからず負担をかけてしまうことになります。既存の建物に対して採用するとなると、家の耐久性などに影響を与えてしまう恐れがあるので注意しましょう。ほかの防水工法によってできた箇所を、後からアスファルト防水にすることはほとんどありません。

まとめ

耐用年数はできるだけ長い方がよいものではありますが、防水工事の種類を耐用年数だけでは決められません。耐用年数がリフォームなどの目安になるため、実際に行った工事の耐用年数をしっかりと把握するようにしましょう。
「株式会社廣瀬防水」では豊富な施工実績がありますので、防水工事をお考えでしたらお気軽にお問い合わせください。